忍者ブログ

笑顔と青空と。

04«  2024/05  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   »06
Admin | Write | Comment

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

始まり。


ss。







エスティールと名乗った妙齢の女性に連れられたオレは育った街を離れ、馬車に乗せられた。(護衛が両側についていて窮屈この上無かった。)
どのくらい揺られていただろう。気付けば馬車は止まっていた。
「降りなさい」
返事もせずに馬車から降りて目の前の大きな建物を見上げる。第一印象は、真っ白だったということだ。今日は赤色を見過ぎていた為か、目が痛い。
「とりあえず、今日は貴方の部屋でゆっくりすると良いわ。本格的に始まるのは明日からだから」
オレにはよく分からない事を言いながら建物に入る。建物の前にも槍を持った男が2人立っていたが、エスティールを見ると場所を開けた。
「ついてきなさい」
オレはとりあえず彼女に従い、建物へと足を踏み入れた。


中は明るかった。光が、という意味では無く、人の笑顔があふれている。オレと擦れ違う子供、くだらない会話をしている男、窓際に座っている老婆。
誰もが、穏やかな光をその瞳に宿している。
オレは、その光を知らない。オレに今まで向けられた瞳はどんな光を湛えていただろう。
侮蔑。嫉妬。あるいは、羨望。
オレが、あの城の青年に弟として迎えられたその日から。周りから向けられてきた視線は決して好ましい物では無かった。
もう、どうでもいいことだけど。


「此処よ」
エスティールは一本の廊下の突き当たりにあったドアの前に立ち、その扉を開けた。
「―――」
白い部屋だった。窓は開け放たれ、白いレースのカーテンが揺れている。
そして、窓の傍にあるベッドに一人の少女が座っていた。
銀色の長い髪が風に揺れていた。こちらに気付いた彼女が、窓の外からオレへと視線を向ける。
「・・・・・・・・・彼?」
「えぇ」
エスティールと少女は短く言葉を交わす。
「紹介するわ、シン。」
少女は微笑んだ。
「彼女が、貴方のマスターとなる少女。」

「名前は――リア」
PR

Comment

Name
Title
Mail(非公開)
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

最新トラックバック

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

カテゴリー

アーカイブ

<< BACK  | HOME |   NEXT >>
Copyright ©  -- 笑顔と青空と。 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]